ダイバーの憧れ、いつかは行ってみたい究極の場所として必ず上位に挙げられる聖地ガラパゴス。 そこへ総勢、なんと13名で行ってきたのである。 そう、あの、世界に名だたる「アグレッサー」をピンチェハポネス(くそったれ日本人)が占拠してしまったのである。 4月28日、我々は鼻息荒くコンチネンタル航空006便に颯爽と乗り込んだのであった。 オイラはコンチネンタル航空を密かにハゲチャ便と呼んでいるのだ。それは許し難いことにビール等酒類は全て有料だからである。 ヒューストンまで12時間、トランジット後に乗り継ぎ、キト(Quit、オイラはクェートと間違えた。)を経由しグワヤキルまで8時間、更にグワヤキルで1泊し、早朝ガル航空(Gal、ギャルかと思った。)で約1時間、ようやくガラパゴスのサンクリストバル島に到着するという、これまでの人生の中で経験したことのない長旅であった。 空港内で入島料の100ドルを支払う。この時にもらう半券はアグレッサーでチェックされるので無くさないよーに。 さてと、なんやかんやでようやくガラパゴスでの第一歩を踏み入れる歴史的瞬間がやってきた。 「ガラパゴスは赤茶色だった。」これがオイラの初めて降り立ったガラパゴスの大地での記念すべき第一声である。 かつてソ連のガガーリンが宇宙船から母なる地球を見て発した「地球は青かった」に匹敵するほどの名言であろう。 ガラパゴスの空気は乾燥しているせいか南国特有の濃厚でまったりと肌にべたつく感はない。アグレッサーのスタッフに熱烈歓迎を受け、一行はビジターセンターらしき施設へと連行された。そこで簡単なガラパゴスの生い立ちやら歴史やらのレクチャーを受けた。 その後、プエルトアヨラの港まで行き小型のボートへ乗り込み、そこら中に係留しているボート上でのんびりと日向ぼっこをしているアシカたちを眺めながら、沖に誇らしげに停泊しているアグレッサーUへと向かった。 船はデカイのである。周りにも数艇のダイビングクルーズ船が係留されているが一回りも二回りもデカイのである。 船内に乗り込み、一目散にデッキへと駆け上るとオイラはまるで天下を取ったように誇らしげにしもじもの船を眺めたのであった。 目にしみるほどの強烈な青い空は雲ひとつなく、遥か彼方で海と交わり境目がわからなくなっている。 荷物を持ち込み一息ついたところで部屋割り、その後ダイビングシステム、機材置き場等の説明を受けた。部屋内では現在「ノースモーキング、ノーフィーディング、ノーセックス。」の3NO運動を実施中とのことだった。すぐさま出航し、サンクルストバル島の入り江であるTijeretasでのチェックダイブに向かった。 チェックダイブといってもマスククリアやバディブリージングなどのチェックは無く、各自ウエイトの調整をする程度だった。 エントリーした途端に数頭のアシカがやってきた。 海水温は南極から流れてくる寒流、フンボルト海流にあらわれているためかさすがに冷たい。ダイコンの水温計は暖かいところで21℃、冷たいところではなんとなんとなんと17℃を指している。 みなウエットスーツの下はラッシュガードにフードベストという色気もへったくれもない出で立ちである。 そんな冷たい海の中でもアシカたちは元気に我々の周りを回り始め、そのうちフィンやスノーケル、カメラなどにあま噛みをしてくるのだった。 いきなりの遭遇に我々も寒さを忘れて遊び回っていた。 荒涼とした島の大地にも所々に木々が生えている。見渡すと島の木々ではグンカンドリがおなじみの赤い喉元を震わせながら羽を休めている。 手をかざして見上げると真っ青な空にはアオアシカツオドリが大きな弧を描いている。 う〜ん、シブイ、シブすぎる光景である。 幼少の頃、生まれ育った足立区の梅島図書館でキラキラと目を輝かせて読みあさった、あのチャールズ・ダーウィンの「ビーグル号航海記」の世界そのものが、今この目の前にあるのだ。 「なんだよ〜、足立区出身かよ〜」と思ったヤツはアカメカモメの餌となるであろう。 アグレッサーでのダイビングは、ガイドは付くが基本的にはコースガイドという感じである。 ハンマー等の大物やポイントによっては見どころとなっているタツノオトシゴやイザリウオなども教えてくれた。 夕食事のウェルカムパーティーでオイラは絶句した。甲板はセーラー服だらけなのであった。アグレッサーのスタッフが気を利かせて女子高生を呼んでくれたのだろうと思ったアンタ、頭が腐っておる。直ちに病院へ行きなさい。白いセーラー服が彼らの正装なのだ。スポンと小気味よくシャンパンの栓を抜くと彼らは我々ゲストに注いで回る。実に優雅で『もしかしてオイラって金持ちなのかしら?』と勘違いしてしまうようなひとときである。 しかしその場では自己紹介、クルーズ中に見たい生物等々を英語等で喋らなくてはならないという難関が待ち受けていた。 「う〜む。」と腕を組みつつ固まる者や「フランス語だったらペラペラだったのにぃ。」といかにもみえみえの嘘をつく者までいる。 ほとんどの者は「ジンベエが見たい!」と言っていたが、中には「ママシータ(いい女!)」と答えたバカ者までいた。 『君はそんなことを言って日本人として恥ずかしくないのか。』と思いつつも明日から始まるであろう、スペシャルな日々が待っているということもあり、おとなのオイラは温かい目で見守ることにしたのだった。 ゾディアックは2艇あり、1艇に6〜7人づつ、セッティングが終わった順から機材を背負って乗り込んでいくシステムになっている。ダイビングガイド、ボートクルーは各ゾディアックに一人づつ乗り込む。 ダイビングガイドはSantiago、Jaimeのふたりだった。 Santiagoはチェックダイブの時にあの冷たい海中をシーガルで潜って一行を仰天させた。しかし相当冷たかったのだろう、以降はフードベストをしっかり装着していた。 Jaimeは陸上のネイチャーガイドもこなし、ガッチリとしたまめタンク体型はマンガ「Drスランプ」のニコチャン大王に似ている。 ダイビング中、ガイドはコースガイドはもちろんのこと、一人はビデオ、そしてもう一人はデジカメで海中及びゲスト達を満遍なく撮影し、編集して最終日に売ってくれるのだ。 本日の1本目はセントラルエリアのSeymour・Pointだった。どんなポイントだったか…忘れてしまいました、すんまへん。 2本目はノースセイモア島とバルトラ島の間にあるEl・Canalでのダイブである。 このポイントは水路に沿ってのドリフトダイビングになる。 流れはほとんどなかった。 時折現れる根ではイエロースナッパーやゴールデングラントのおびただしい群れが一行の行く手を遮る。 ラパスなどでおなじみのキングエンジェルフィッシュもいる。 さらに水路を進んでいくと沖一面にものすごい数のガーデンイールが長い身体をくねらせていた。 30分ほど泳ぎ続けただろうか、徐々に魚が見あたらなくなってきた。 いるのはガーデンイールだけである。 クソ寒い海中に魚がいないとよけいに身体が冷えてくる感じだ。 一行は緊張感も薄れバラバラに散らばり始めていた。 と、その時である。 ふと振り返ると斜め後方を泳いでいたJさんの真上に巨大な物体が「ジャジャジャッジャーン」という音と共に現れた。 な、な、なんとジンベエザメの登場である。 「デカイ、デカすぎる!」 ゆうにマイクロバス一台分はありそうである。 オイラは思わず我を忘れ、大声をあげた。 たくさんのコバンザメを引き連れ、ジンベエは悠然と尾を漕いでいる。 まるで発射寸前のミサイルを搭載した潜水艦のようである。 ジンベエはゆっくり泳いでいるように見えるが、結構早いのだ。 尾びれがオイラの目の前を横切ると直後に物凄い水流がマスクにあたる。 水深わずか20m足らずのこんな海域でいきなりの出現である。 しかしジンベエは後光を放しつつ、ついには留まることもなく深淵へと消えていったのである。 まさに千載一遇出会いにオイラは心の準備も出来ずに写真を撮るのを忘れてしもーた。 もうこれは足立区の北千住辺りの汚ね〜カラオケボックスでの合コンに上戸彩か柴咲コウが参加してきたようなモンであろう。 「なんだよ〜、また足立区かよ〜」 と思ったヤツはゾウガメの下敷きとなり圧死するであろう。 鼻血が出るほど恋い焦がれていたジンベエ様に、こんなにもあっけなく遭遇してしまうなんて、まったくガラパゴスの実力には恐れ入っちゃいました。 本船に戻ってみると全員がジンベエに遭遇したわけではなかったことが判明したのだった。 このときばかりはフードベストが災いし、オイラがあれだけ大声で叫んだのにもかかわらずフードで耳か塞がれていたため聞こえなかったようである。 リビングではガイドが撮れたてのほやほやのビデオを流し始めるとジンベエが映し出された瞬間、船内は歓声と悲鳴が響き渡ったのであった。 ガイドの話によると12年間このポイントで潜っているがジンベエは初めての事だと言っていた。 それではここで問題です。ジンベエが出現する事が多いと言われているポイントとまったく予期していないポイントでジンベエに逢えたとき、いったいどちらが嬉しいでしょうか? 答え。 どっちも嬉しい。 自慢じゃないがオイラのダイビング歴は結構長い、と思う。タンク数もそれなりの数になる、と思う。 そのオイラが今日まで学んだことは、ダイビングはやっぱり見たモン勝ちなのである。 だから今、エバッて言えるのである。そうなのである。過去に何百本潜ろうが、どんなに素晴らしい海を潜ろうがそんなもんは何の自慢にもならないのである。ただの屁たれの戯言なのであると…。 ダイバーにとって価値のある、もっとも羨望のまなざしを受けるものは過去に何を見たかだけなのである……と言われたあの苦闘に満ちた若かりし日が克明に浮かび上がり、その言葉がバラの刺のようにチクリとオイラの胸を刺していたことを思いだしてしまいました。 アグレッサーでは1日3〜4本のダイビング、島に上陸する日は午前中に2本潜り、午後はランドビジットとなる。 というわけで午後はノースセイモア島に上陸した。 島の小さな桟橋にはウミイグアナが重なり合って日光浴をし、タイドプールではガラパゴスアシカが元気に泳ぎ回っていた。 島内には足の青いアオアシカトオドリのコロニーが幾つもあった。人目をはばかることもなくお互いに向き合い、頭を少し下げ羽を後ろにもたげたるとカップルはまるで四股を踏むように足踏みをし、悩ましい声を上げ求愛をしている。 点在する低木の茂みの上にはグンカンドリが休んでいた。赤い喉袋をまるでいかつい溶岩ドームのように膨らませ、数羽の雌に囲まれている。 特段グンカンドリに限ったわけではないが一様に雌たちは大きく膨らんだモノが好きな生き物みたいである、ムフフ…。 しかしずうっと長い時間にわたり膨らませ続けているのは、まぁ我々男性陣なら経験的に理解できると思うが結構大変なようで少ししぼんでいるのもいた。 その姿はちょっと情けない感じがしました。 オイラもあまり良い仕事をしているとは思っていませんがその姿はまるで一仕事終えたわが息子のように思え、身につまされる感じがしました、ハイ。 夜には一気に赤道を越えウォルフ島まで北上したのだった。 最近ジジィになったのかメッキリ目覚めが早い。 早朝まだ薄暗く肌寒いデッキの上で爽やかな朝日を一身に浴びていると沖の彼方にかすかに海面から突き出た岩が目に入ってきた。 我々が目指すウォルフ島である。 真っ青な空にはまるで墨汁を垂らしたようにポツンと雲が浮いているのだった。 そんななぜか懐かしく感じる雲を眺めていると船首が騒がしいのに気がついた。 身を乗り出して前方を窺うと海上には漁民が仕掛けた延縄が浮いていた。 この一帯は禁漁区のはずである。サメを狙っての密漁である。スタッフは全ての仕掛けをナイフで切断しては船上に拾いあげていく。 スタッフによると、いくらこのように仕掛けを回収しても密漁は後をたたないという。 遠くに我々をあざ笑うかのように密漁船が水しぶきをあげ霞みの向こうに消えていった。 回収に1時間以上を要し、ようやく到着したウォルフ島はまさに絶海の孤島だった。切り立った断崖には白い幾筋の滝が流れ落ち、島の頂はどんよりとした雲に覆われている。すると突然島の裏側からプテラノドンが現れたのである、というのは嘘である。が、しかしそんな雰囲気がプンプンであった。 島に近づくにつれたくさんのバンドウイルカたちに歓迎された。 おそらくはこの島の周りで生活しているのだろう。 船上は喜びの笑顔に包まれ一気に期待は膨らんだ。 アグレッサーではダイビング前30分にはブリーフィングタイムの船内放送が流れる。それまでは昼寝をしたり読書をしたりと各自の責任の範疇でのんびりと過ごしているのだ。 ブリーフィングは英語で行なわれる。 しかしブリーフィングはそんなに難しいものではなくコース、水深、ダイブタイムや海流などの説明で、フランス生まれ(ウソです)の足立区育ちで英語がほとんど判らないオイラでも全く問題なかった。 ポイントはウォルフ島でのメインであるShark・Beyである。 おそらくポイント名からしてサメだらけなのであろう。 このポイントは外洋に向かって大きく扇を広げ、沖からの波を一身に受け止めている。ひとたび海が荒れればアグレッサーをもってしてでもひとたまりもないだろう。 凪の日でさえかなりの波を受けているのだ。 オイラは一行がわれ先にとゾディアックへと乗り込むのを横目に、いかにも余裕のあるベテランダイバーのようにみせかけ不敵に笑みを浮かべ、先を譲ったのだった。 目前では波涛が島壁にぶつかり飛沫を上げている。 海は果てしなく青く、正に群青色で透明度もセントラルエリアと比べて良さそうなのは船上からも確認できる。 エントリーと同時にかき氷を一気に食ったときと同じような、こめかみにキーンと響く痛さを感じた。 ブリーフィングでは海水温はセントラルエリアより2、3℃は高いだろうといわれていたがかなり冷たい気がする。 水温計を見ると20℃を指していた。 透明度が良く流れがあたる分、余計に海水温が冷ややかに感じられるのだろう。 海底はまるで恐山でよくみる積み石のような岩が点在していた。 一行は海流にさからって泳ぎ、ドロップオフ手前の棚の一段とうず高い岩を一気に目指した。 その岩に掴まり流れに身を任せ、目の前で繰り広げられるであろう驚愕のショーを見る算段なのだ。 深く濃い青で包まれた海中は今にも何かが出てきそうなただならぬ気配が充満しており、漆黒の闇に支配されている遙か沖をただひたすらジッと目を凝らして見つめているとぼんやりと影が浮かんできた。 不意に冷たい海流が不気味にオイラの頬を撫でていく。 ぼんやりとした影は次第にはっきりとしたトンカチ型の姿を現し、その内の1頭は好奇心が強いのかスルドイ泳ぎで我々に無言の圧力をかけながら接近してきたのであった。 恐し気な形相からは想像できないほどにしなやかで滑るように泳ぎ、体をくねらせてときおり見せる腹部は陽光を浴びて白く眩しい。 特徴的でなんとも風変わりなその頭の両端にある目はまさしく冷たいサメの目そのもので『まあまあ、ちょっとゆっくりして君の意見を聞かせてくれないだろうか?』などと気軽には声をかけられない雰囲気を漂わせていた。 さい先よい遭遇におのずと期待が高まってくる。ヤツは我々にジロリと一瞥をくれると全身の筋肉をプリプリさせ威厳をたっぷり放出し、身を翻して沖へと戻っていった。 しかし驚きの遭遇もそれは単なる序章に過ぎなかったのである。 再び現れたヤツらは後方に数十頭もの一団を引き連れ、次から次へと悠然と頭上を通り過ぎていく。 その瞬間、オイラは海中にもかかわらず 「お父さん、お母さん、生まれてきて良かったとです。ホンマにこんなの見たことなかとです。」 と叫びつつ、大波のように押し寄せてくるハンマーヘッドシャークたちにストロボを照射しまくったのであった。 これぞまさしく「世界とハンマーの中心で愛を叫ぶ」である。 途切れることもなく延々と現れるハンマーヘッドシャークたちもいつしか我々から離れていった。 神秘的で美しく見事なまでに洗練された体躯のハンマーヘッドシャークの遠ざかっていく姿を眺めていると、おぼろげに頭に浮かんでいたモノがはっきりとしたひとつの形になって脳裏に現れた。 「何じゃそりゃ〜、まるっきり顕微鏡で覗いた精子みたいやんかい!」 目の前で繰り広げられる大スペクタクル映像さながらのシーンを目の当たりにしつつも、そんなことを連想してしまう自分は本当にバカぢゃないの?と思う反面、ちょっとだけカワイイと思ってしまうオイラであった。 驚愕の大編隊は見る者を変態へと変貌させていくのである。 次に現れわたのは海底からわき上がってくるような数千匹のカツオの群れたちである。 目の前を覆い尽くす想像を絶するほどの命の大群はまるで大河の激流を彷彿させ、メタリックな背を太陽の光できらびやかに輝かせながら強靱な尾鰭で豪快に泳ぐ。 オイラは一寸の迷いもなく、 「オラオラオラッ〜、突っ込んだるでぇ〜」 と怒声と共にカメラを構え魚群に突進したのだった…、か、しかし猛然と迫りくるヤツらにびびってしまった。砲弾のようなカツオに一撃でもされたらさすがのオイラもひとたまりもないだろう。 「こりゃ当たったら死ぬよな,きっと。」 冷静さを取り戻したオイラは群れたちの側面からファインダーの画角いっぱいにヤツらを納めストロボの閃光を浴びせるに留めたのであった。 あっという間に現れたカツオたちはあっという間に沖の彼方へと消えていった。嵐のようなヤツらである。 ようやく落ち着つきを取り戻した一行はドロップオフの壁に沿って泳ぎ始めたのだった。 「今までこんなにスゴイ海あったか?なかったよな?」 オイラは必死にフィンキックをしつつ自問自答していたのだった。 すると突然、静寂を切り裂いたように激しくタンクを叩く金属音が鳴り響き、同時に一行を引き連れたガイドが頭上を指し示した。その方角からは再びハンマーたちが大挙して現れた。 どうやら感慨にふけっていたのはオイラひとりらしい。一行は一斉にハンマー目がけて泳ぎだしていた。 しかしオイラは無意識のうちにフィンキックを止めていたのだった。 うっすらと奇妙な音が聞こえていたのである。 耳を澄ますはっきりと聞こえてくる。イルカのクリック音である。きょろきょろと見渡すと、途端にイルカたちが通り過ぎていった。 後方から海上を、一行の吐き出す泡を目印に追跡していたゾディアックが海面を切り裂いていく。 しかしそのゾディアックを先導しているのは数頭のイルカたちだった。 ふと後方を振り返るとマンタが優雅に羽ばたいていたのだった。 驚喜のうちにダイビングを終え本船に戻るとスタッフが乾燥機で暖められたタオル、温かいおやつでおもてなしをしてくれる。 く〜、ニクイ、ニクイのである。アグレッサーはなかなかどうして、よい仕事をしているのだ。 それだけではないのである。甲板にはなんとなんとなんと温かいお湯のジャグジーまでもが用意されているのだ。その中で飲むビールは全身に染み渡りスルドクうまいのである。 更にそれだけでもないのである。 なんとなんとなんと嬉しいことにアグレッサーではビールが無料なのである。無料ということはどういうことかというと何本でも飲んでただということなのである。 夜の宴ではニコちゃん大王がギターを片手にラテン音楽を披露してくれた。 明日はいよいよダーウィン島でダイビングなのである。